いたばし整形外科関節クリニック

「首」の疾患

肩こり

首すじから肩・背中にかけての筋肉がこわばり、重だるさや張り、痛みを感じる状態です。頭痛や吐き気、腕のだるさを伴うこともあります。
多くは特定の病気ではなく姿勢や生活習慣に関連して起こりますが、頚椎の病気などが背景にあきんる場合もあります。

原因

長時間の同じ姿勢(デスクワークやスマートフォンの使用)、猫背やなで肩などの姿勢、運動不足、冷え、精神的ストレス、眼精疲労などが主な要因です。
頚椎症頚椎椎間板ヘルニアなどの疾患が原因となることもあります。

治療

姿勢や生活習慣の改善が基本です。適度な運動やストレッチ、首・肩まわりの筋力や柔軟性を高めるリハビリ、注射、物理療法を行います。
痛みが強い場合は消炎鎮痛薬などの薬物療法を併用します。
症状によってはエコーを見ながら筋肉と筋肉の間に薬液を入れる、筋膜リリース注射が効果的なことがあります。

頚椎症

加齢に伴い頚椎の椎間板や椎間関節が変性し、骨のとげ(骨棘)の形成や靱帯の肥厚などが生じた状態の総称です。
首の痛みやこり、動かしにくさ、肩や背中の張りなどがみられ、神経(脊髄・神経根)が圧迫されると手のしびれなどを伴います。
神経が圧迫される部位により「頚椎症性脊髄症」「頚椎症性神経根症」と呼び分けます。

原因

主な原因は加齢による椎間板の水分減少・弾力低下と、それに伴う骨棘形成や靱帯肥厚です。
頚椎への繰り返す負担、長時間のデスクワークやうつむき姿勢、もともと脊柱管が狭い体質なども発症・進行に関与します。

治療

多くは保存療法が中心です。姿勢指導やリハビリテーション、薬物療法、物理療法を行います。
神経症状が強い・進行する場合は精密検査のうえ専門機関で手術を検討します。

頚椎椎間板ヘルニア

頚椎の椎骨の間でクッションの役割をする椎間板の一部(髄核)が飛び出し、近くの神経(脊髄や神経根)を圧迫する病気です。
首から肩・腕にかけての痛みやしびれ、腕の力の入りにくさなどが現れ、脊髄が圧迫されると手指の細かい動作のしにくさや歩行障害を生じることもあります。

原因

加齢による椎間板の変性を基盤に、姿勢の乱れや首への負担、スポーツや外傷などが誘因となって発症します。比較的若い年代でも起こり得ます。

治療

多くは保存療法で改善します。薬物療法、リハビリテーション、物理療法を行います。
痛みやしびれが強く保存療法で改善しない場合や、麻痺が進む場合は手術を検討します。

頚椎症性神経根症

頚椎症の変化により、脊髄から枝分かれして腕へ向かう「神経根」が圧迫されて起こります。
多くは片側の首から肩甲骨周囲、腕、手指にかけての痛みやしびれが特徴で、首を後ろへ反らすと症状が強くなる傾向があります。

原因

加齢に伴う骨棘や椎間板の膨隆、椎間孔(神経の出口)の狭窄が主な原因です。うつむき姿勢や首への負担が誘因となることもあります。

治療

自然に軽快することも少なくありません。薬物物療法で痛みを抑えつつ、リハビリで首まわりの負担を軽減します。
強い痛みが続く場合や腕の筋力低下がある場合は手術を検討します。

頚椎症性脊髄症

頚椎症の変化により脊柱管が狭くなり、中を通る脊髄が圧迫されて起こります。
両手のしびれ、手指の細かい動作のしにくさ(ボタン・箸・書字が不自由になる)、足のもつれや階段で手すりが必要になる歩行障害がみられ、進行例では排尿・排便の障害を伴います。

原因

加齢による頚椎の変性が基盤で、日本人は生まれつき脊柱管が狭い方が多く発症しやすいとされます。
頚椎の不安定性が加わると症状が強まり、転倒などの軽微な外傷で急激に悪化することがあります。

治療

軽症では保存療法として薬物療法、リハビリテーション、物理療法などを行います。
進行性で日常生活に支障がある手指巧緻運動障害や歩行・排尿障害がみられる場合は、専門機関で手術を検討します。

ストレートネック(スマホ首)

本来ゆるやかに前弯している頚椎のカーブが失われ、まっすぐに近づいた状態です。
首や肩のこり・痛み、頭痛、目の疲れ、腕のだるさなどを招きやすくなります。

原因

長時間のスマートフォンやパソコンの使用、うつむき姿勢の習慣などにより、首まわりの筋肉に持続的な負担がかかることが主な原因です。

治療

姿勢の改善が基本です。作業環境の見直し、こまめな休憩やストレッチ、首・肩まわりの筋力・柔軟性を高めるリハビリを行います。
痛みが強い場合は薬物療法や物理療法を併用します。

寝違え

朝起きたときなどに突然、首の後ろから肩にかけて痛みが生じ、首を動かしにくくなる状態です(急性疼痛性頚部拘縮)。
多くは片側で、特定の方向に動かすと強い痛みが出ます。

原因

睡眠中の不自然な姿勢や、前日の首・肩への負担、冷えなどにより、首まわりの筋肉や関節に一時的な炎症・こりが生じるためと考えられています。

治療

通常は数日から1週間程度で自然に軽快します。急性期は無理に動かさず安静にし、必要に応じて薬物療法、物理療法を行います。
痛みが強い・長引く・しびれを伴う場合は、他の疾患との鑑別のため受診をおすすめします。

後縦靱帯骨化症

背骨の後ろ側を縦に走る「後縦靱帯」が骨のように硬く厚くなり(骨化)、脊髄や神経根を圧迫する病気で、国の指定難病です。
首や肩の痛み・こり、手足のしびれ、手指の使いにくさがみられ、進行すると歩行障害や排尿障害を生じます。

原因

はっきりとした原因は解明されていませんが、体質(遺伝的要因)や糖代謝異常・肥満などの関与が指摘されています。中高年に多くみられます。

治療

症状が軽い場合は保存療法として薬物療法、リハビリ、物理療法を行います。
神経症状が進行する場合は専門機関で手術を検討します。転倒による急激な悪化に注意が必要です。

むち打ち(頚椎捻挫)

交通事故やスポーツなどで首に急激な力が加わり、頚椎まわりの筋肉・靱帯などが損傷した状態の総称(外傷性頚部症候群)です。
首の痛みや動かしにくさに加え、頭痛、肩こり、めまい、吐き気、腕のしびれなどを伴うことがあります。

原因

追突などで頭が鞭のようにしなり、頚椎に瞬間的な過度の負担がかかることが原因です。受傷直後より数日たってから症状が強まることもあります。

治療

急性期は安静と薬物療法、物理療法で痛みを抑えます。
症状が落ち着いたら頚椎カラーは短期間にとどめ、リハビリで首まわりの機能回復を図ります。多くは徐々に改善します。